星の灯台とレジデンス_直感シリーズ

 

クライアントによると、このロケーションでは晴天の日は恐ろしいほどの星が見えるらしい。私はもちろん訪れたもののまだ「夜」を経験していない。

実はこれは森の中に建てられるレジデンスだ。

斜めに突き出た40FEETコンテナは、とりあえず「吹き抜け」として作られるが、もちろん最上部にのばる事が出来る。

この圧倒的量感の箱が斜めに置かれる事によってこの建築は周りの修景を切り取り、挑戦なのかあるいは調和を望んでいるのかわからない状況を作り出す。

一方ではそれはやはり挑戦であり、存在不安そのものである。しかし、一方ではワクワク感の実現であり地球防衛軍の基地でもある(爆)。

建築内部空間はエントランスを入るとそのままコンテナの傾斜にそって天井はのぼり始め、高原の空を矩形に切り取りながら吹き抜けを構成する。その高さは最高7Mだ。その頂部にあるのは、フレームに入れられた「空」そのものの展示スペースだ。

フレームに入れられた「空」はその時々の情景をのぞかせ、晴天の夜は「星」のギャラリーと化す。

男心をくすぐるのはその玄関ゲートだ。電動ボタンを押すとコンテナの妻側の壁が下りてきてタラップとなる。

クライアントが大好きな「バイク」も室内にスロープを走らせて入れる事が出来る。

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海を望むサンセットレストラン_直感シリーズ(爆)

いや、この通りに作りたい(爆笑)。
ファストインプレッションズの中には圧倒的創造力が隠れている。
それをソフィスティケートするだけでいい。

道路側からの景色を一旦切り取り、施設の中にそれを包含してしまう。
フォーマルシークエンスから、段をあがり、レセプションに進むと圧倒的な景色が広がる。
リゾート的なしつらえで構成された空間は、自然の景色を切り取る装置として機能する。
やがて地域の海の幸、山の幸が適切な技術で調理され
周りの環境と溶け合って一つの世界を形づくる。

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若き建築家のための100の処方箋、あるいは100の翼。No.004 成長は最大の攻撃力!

A-004 成長は最大の攻撃力!

「独立開業」という目標は現在の目標ではあるけど、開業した時が本当のスタートライン。そして、成長していく事が何者にも侵略されないパワーの源です。独立開業は着地点ではなく、本当のスタートラインだと言うことになります。比較的建築事務所の開業は投資が少なく開業できます。昔は「製図台」と「紙と鉛筆、電話とFAX」があれば可能でしたし、今でも「パソコン」と幾つかのアプリケーション、インターネット接続、コピー複合機とその場所があれば仕事は始められます。これはすごいことです。あなたの創造力とスキルが全てを生み出すということです。でもこなすべき仕事がなくてはなりません(爆)。なになに商店と違って「売るべきもの」は「あなた自身」というところが一般の商売とは大きく違うところです。
「独立開業」を目標に動いているときは、事務所としての構想が頭を支配します、事務所がオープンするとき一つの着地点へ到達することが出来たという事になります。でも、事業的にはこの時が本当のスタートポイントですね。ここからあなたは事務所の営業成績を毎日、毎月、毎年成長させていく事に邁進していくことになります。「成長すること」は実は大変な努力が必要になります。そもそも何故成長させなければならないのでしょう。とりあえず下がることさえなかったら、横這いでもいいのでは?と考えることも出来るような気がします。

実は成長していくことは、あなたにとっても、店を手伝うスタッフにとっても非常に重要なモチベーションの源になるのです。人は変わらない環境の中に居続けたいとは考えません。毎年少しづつでも昇給があり、自分のスキルアップに対する評価がされ、人に認められているという確認が出来ないと生きていく価値を見出せなくなります。あなた自身の給与も昇給していかねば毎年同じ事の繰り返しをしていると思うと少しずつ疲れてくるのです。その昇給はもちろん、いろいろな事業戦略やプロモーションをうちながら成長を続けるには「成長」の部分がないと新たな手も打つことが出来ません。

「成長」の要素に何があるでしょう。それは何かしらの「変化」の元にしか考えることが出来ません。
・スキルのアップによる効率化
・スキルアップによる提案力の向上
・接客システムの向上による顧客満足度の向上
・研究の成果によるコスト削減
・仕事量アップによるデータ作成の効率化
・事業戦略による客単価増加
・事業戦略による顧客数アップ戦略
・完成させた仕事のアーカイブ増加による信頼度の向上

どれを取っても何かしらの変化の元に「成長」は生まれてくるのです。その変化にはコストがかからないものとかかるものがある事にも気づいておきましょう。
あなたは今、これらの努力の元にいないと、成長や向上に関する努力を忘れた瞬間、とどまることさえ出来なくなります。それはあらゆる競合相手がその努力をしているために、あるいは時間の経過と共に時代性に変化があるために、あなたは取り残されていくからです。そして下降の一途をたどることになります。下りのエスカレーターを歩いて昇るようなものです。それなりのスピードで昇れば現状維持。止まった瞬間から下ってしまう。エスカレータの下りていくスピードは「周りの成長スピード」そのスピードより速く昇ることだけが上へ行く事が出来る唯一の手段となります。

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若き建築家のための100の処方箋 No_003 経営者感覚と建築家(建築家の独立とそのコンセプト)

今まであなたはどこかでスタッフとして働いていました。つまり誰かの指示で動くことが大半でした。これからは違います。かなりつまらないことも含めて誰もがあなたに指示を仰ぎます。「トイレットペーパーがありませんどうしますか?」から始まって、「マウスの電池がなくなりました。どうしたらいいですか?」「こんな時の収まりはどうするんですか?」など枚挙に暇がありません。このような、ルールを決めれば進むものは、そのルールを決め、つまらないことに煩わせないようにしなければなりません。あなたがチカラを発揮すべきは「全体のスムースな流れと設計」です。創造的に取り組まなければならないことと、ルールさえあれば流していけるものを区分けし、経営者としての戦略的創造性を発揮していきましょう。

将来的にあなたの建築事務所が成長出来るかどうかは、設計家としてのスキルはもちろん、次の段階として「経営者」としての手腕が問われることになっていきます。経営者としてのあなたは多くの事をコントロールする全体のディレクターであり、明日の戦略を練るプロデューサーです。しかもそれを多くのスタッフが納得できる状態で進めて行かねばなりません。経営者とスタッフはまるで立場が違うのです。その事を痛感する場面が沢山出てきます。出てくる度にあなたは「経営者の孤独」を感じる事になるでしょう。一人で考え一人で決めねばなりません。決める事柄をスタッフに譲れば譲るほどあなたは軽んじられるという結果が待っていることに気づくでしょう。

全体の航路を定め操船するのは経営者でもあるあなた。スタッフは誤解を恐れずに言うなら「道具」です。あなたはスタッフの立ち位置を明確にしてやり、悩まずに仕事に専念できるようにすることが一つの仕事です。そして効率よく利益も上げ、スタッフの給与、あなた自身のかてを生み出していかねばなりません。しかも成長していく結果を導き出しながらという条件が付きます。成長していく結果を出せないと「スタッフ」の給与も、あなたの給与も増えていくことが出来ず、次第に仕事に魅力を感じなくなるでしょう。「成長」はとても大事なポイントなのです。スタッフには2種類の人間がいます。あなたのスキルに憧れて入所したもの、あなたに追いつけ追い越せと、とにかく今は設計家としての能力を上げた先に何かがやってくると信じる者。もう一人は「生きる手段としてこの仕事を選んだ者」どちらが偉いわけでもありませんが、仕事への関わり方は違ってきます。

経営者というのは、係わるすべての人の生活も面倒を見るということと同値です。人の上に立ち、あなたの考えで人を動かし活動の中で、あなたの商品で利益を出し、給与を与え、事務所自体を成長させていく事が必要です。 残念なことに建築家としての能力は大きくても経営者感覚が備わってない方が多いのがこの業界(建築事務所)のウィークポイントです。そして事実「経営者」的なことに無頓着な方が多いのが実態です。確かに「いいものを創ること」が仕事を伸ばすことでもあるので一心不乱に設計作業に打ち込む方も多いのはご存知の通りです。ある意味「仕事が面白くて仕方ない」という方です。一方で「産業としての建築」に対して上手なアプローチをし、収益を上げる方もいます。資本主義経済の中の建築のトレンドを見極め、成長分野にしっかりとターゲットを絞ってそのスキルを蓄えその道を極めていく方です。
あなたの人生です。方向は自分で決めてください。生きて行くコンセプトははっきりと明確にしたほうが納得のできる行動がとれるでしょう。惑わない生き方がどちらにしてもまとまった結果を出していくことになるでしょう。

 

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realized container house 実現できるコンテナ

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このコンテナハウスプロジェクトは我々が追い求めてきたコンテナハウスの特徴を最も表現している。
40FEETコンテナの数でいうと約60本 延べ床面積は2000平米弱だ。

この計画は建設前からイベントが始まる。
準備され内装工事まで終わったコンテナは10箇所に及ぶスタート地点から分散された状態で
5台程度の40FEETコンテナのチームで各地でイベントキャラバンを行いながら
ある地点に向かって集結していく。それぞれが特徴を持った内容のイベントである。

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集結場所ではイベントが始まった頃からインフラ工事や基礎工事が始まる。
イベントキャラバンは約6ヶ月の時間を費やしながら目的を果たしていく。
そしてイベントは終了しキャラバンとしての役目を終えることになる。

普通ならここでイベントキャラバンは終了だ。しかし、このコンテナハウスは違う。
ここからもう一つのイベントが始まるのだ。
イベントキャラバンとしての役目を果たしたコンテナは
集結場所で構成を変えながら「組み立てられ」
この模型写真のような集合体としての「建築物」として構成されるのだ。

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走り、一つのノードでイベントをこなし、また集まり、建築物になる。
建築物として構成された後も、インターフェースに設置された6台の40FEETコンテナは
終結後もプラットフォームに横付けされ
「トラクターヘッド」を装着すればキッチンカーとなり、
カフェカーとなり、引き続き行われる「イベント地」へ向かう移動建築物として稼働する。

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究極のコンテナ建築。
建築に出来なかった多くの特質を備えている。

若き建築家のための100の処方箋 No_002 建築は技術力をベースにした文学の世界

No_002 建築は技術力をベースにした文学の世界だ。または、「若き建築家が独立するとき」

建築は実はテクストだ。「最も文学に近くて遠い物理的構成物のレトリックの世界」だ。カタチは言葉であり、構成された空間は「文節」の集合である。つまり建築物を造る事は「物語を書く事」に概ね等しい。それは「ある一つの世界」を描く事になる。独立した物語りなのか、周りの状況に溶け込んで行く環境一体型の拡散型世界なのかそれは設定によることになるのだが、建築家の設計作業はモノカキが「文学作品を描く」という事と概ね等しいと考えられるのです。

 

構成の方法をよく、言語論的アプローチ、あるいは構造主義的アプローチを試みることがある。一方で建築も総合芸術の一つのジャンルであり「わたくしたちの中に潜む自由な表現の発露」を具現化する事が建築としての表現の一つであろうとも信じている。その構成のアプローチやマニエラが仕事の質を決定づけるものでもないが、かなりその手法によって作品の方向性は変わることがある。また、アートとして考えた時、クライアントの存在が消失してしまう。読み手のことを意識しながら描くのか、思いの丈を描くのかの違いだ。

 

気弱な言い方をするならば「アート的要素」に建築は満ちていて、その要素を抜きに仕事に臨むことは出来ないと思っている。そこで、「芸術と技術」というなかなか歴史的なテーゼが迫ってくる。「芸術性」は幼児アートの中にもあるが、技術に支えられたベースのある、例えばピカソの絵やモネの光溢れる絵画は十分な技法や技術に支えられていることは明らかで、文学もそのレトリックが秀逸であれば「うまい」と唸らせられる。建築も同じで「うまい」という言葉が素晴らしい作品を見たときに「設計家」たちの口からこぼれ出る事をあなたも知っているだろう。
どちらにしろ自分が納得できるスキルを何らかの方法で獲得しなければならないのは事実で、技術力がベースにあるのは確かだ。そのスキルを超絶に光らせるのがアーティストとしてのチカラだ。つまり、そのためのスキル獲得のためのプログラムを自分で考え作り、進まねばならない。ある時点でそのスキルと感性を信じて設計家たちは「独立開業」というモードに入るのだが、その判断は自分でやるしかないものの、実はそのサインはむしろ世間の中にある。周りが教えてくれると言っても過言ではない。そのサインを見間違わないようにスタートすべきだ。行動を起こしてからは自分を信じて進んでいこう。

 

 

写真はコンテナの壁面に施された、若い建築学生たちが描いたインスタレーションムーヴメント

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若き建築家のための100の処方箋 No_001 ファストイメージは自分自身の投影体

ファストイメージは自分自身の投影体

建築の計画を依頼されて計画に入ると、一方では現地調査、一方ではコンセプトの立案、敷地そのものの特性、など、コンテクストを探る作業に入っていく。また、他方では自分自身の直感的イメージに左右されながら、上記の調査や事実、クライアントの意向などをメルティングポッドに入れて掻き混ぜる。というのが一般的なプロセスだろう。しかしながら、その場にきちんと佇み、しばらく敷地を観察するならば、今は直感的イメージを大切にしたいと考えている。若い頃はその直感的イメージというのはまだバラバラのピースでその総体のカタチはすぐには見えなかった。それゆえ恣意的なものより「理論的」に導き出す方が解りやすかったし、クライアントに説明するにもそのほうが説得力があったように思う。

直感的イメージがあるとするならば、ゲニウスロキに突き動かされた「イタコ」のような神がかりな存在と言う訳では無く、何かがその場の雰囲気からまとわりついてくるという感じなのだ(やっぱイタコやん)。いや、そうじゃなくて(爆)、いくつものコンタクトデザインのピースが、例えばイワシの大群がイワシとは別の大きな形を形作っていくように、ある種の総体を予感させるという感じだ(やっぱイタコやん)。違う(爆)。映画ベイマックスのヒロ・ハマダが発明したマイクロボットのように、操作する人間の意志が反映され何かを形作るようなそんな感じだ。

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※ベイマックスのヒロ・ハマダ&マイクロボット

そのイメージというのを「ファストイメージ」と呼んでみよう。このときクライアントの要望や希望はまだそれほど意識しておらず、クライアント自身になりきっていないので、自分色がどうしてもその中には強く混ざり込んでいる。一般的にはこのあと「要件」として、方位(ここではオリエンテーションね、家相もいいけど・・・)や、その地の風向き、季節的特質、重視すべき機能などを考えて、初めに抱いたイメージの中の不適切なものを剥ぎ取り、置き換えいわゆる設計作業を行う。いやそれでいいんですけど、間違ってはい無いんですけど、あなたが組織設計事務所で、その組織建築事務所が大切にしているものがあればそれを大切にしていかねばならないのですが、しかし一人の「設計家」として生きていくのなら「個性」も大きな「ウリ」の要素だし、あなたが生きていく事そのものなのだと思っている。

つまり、個性的ファストイメージを剥ぎ取り、整えていく事はある程度建築物として必要ですが、それは一方で「個性」が薄らいでいく事そのものでもあるのだと思う。依頼主があなたに頼みたいというのであれば、そのようなプロセス=新たな知識で、きっと素敵だったあなたの個性を切り崩すのではなく、その個性をソフィスティケートする事が大事なひとつの方法だと最近は考えています。ファストイメージは自分自身の投影体であり、設計家としての本質を指し示しているのです。それは、直感だからといって、一つの恣意的産物ではなくあなたの背景が産み出した圧倒的創造物という気がしています。

いや、私の話なら信じられんかもしれんけど、写真はルドルフシュタイナーの黒板絵です。この黒板絵を見ると、ぜひそこまで行くべきだろうという事が信じられるでしょう。

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No.000_若き建築家のための100の処方箋、あるいは100の翼。

この100の小論集は「建築」に関する向き合い方の概念を私なりにまとめた私論です。ある年齢を過ぎてから感じ始めたものをまとめています。それらの概念をまとめる必要は社会的には無いのかも知れませんが、私の中の「建築」を整理するために必要な作業でした。
100の処方箋は100のモノサシと言い換えることもできるかも知れません。様々な角度から物事を考えると、鳥瞰的に観察すると整合性が取れなくなることもしばしばです。それは立体的な総合的思考の中ではある部分には「思想の歪み」や「空間の歪み」が存在するからかも知れません。その歪みを利用しながら、「そおっと、人は生きている」のかも知れません。いや、私はそうやって生きているのでしょう。
処方箋は生きるための方法でもあり、生きていくチカラにもなります。誰かに語っているようでもあり、自分自身に語りかけているようでもあります。それは建築をデザインするときの問いかけに似て、自分自身の中に「気づき」を生み出し、社会に投げ込んだ自分自身のモノサシ(フィジカルな物体としての建築)と社会との整合性、調和性を測っているようにも見えます。この考察はモノを創り出す事の責任に関して、建築基準法ではない部分に関する考察がほとんどです。
「建築(ケンチク)」というコトバの深さにあきることがありません。還暦を迎えても(爆)その真意に向かって走りたい衝動が消えません。建築は人間だけのものではありませんが、とても人間的な営みの一つに見えます。その裏にあるものは「カタチ」と「機能」と、様々な意味での「象徴性」が絡み合った複雑な社会的構造体だからだと思っています。その対象に向かって考え、自分の中で解きほぐす「建築の解体」(爆)作業なのかも知れません。

写真はコルビュジェ 輝く都市(1930年)
何か来たるべき未来を感じさせたスケッチだった。
このスケッチの向こうに見えたものは何だったんだろう。

kagayakutoshi