空間の新規性と実質的有用性 コンテナハウスの表現力

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建築は「彫刻」ではないので「機能」がつきまとう。
住宅であれば快適な居住性と生活者を癒す空間が主な機能で、
住み手によって求める方向は様々だ。

これは「別荘」と言われるジャンルになる。
別荘は一般的住居と違って少し非日常的な要素を求められる事もある。

普通の住居と違うのは「日常の住まいの_サテライト」的な状態になり
選択され、重要とされる特定の機能を重視する傾向にあるのが一般的だ。

この住居は「森の中」にあり、充分な敷地面積がある事によって
都会の敷地のように「周囲からの遮断」的機能は住宅そのものには求められず
敷地の広い空間そのものが周囲からの結界を形づくっている。

住居の周りは「永遠空間」と仮定しても問題ないと思われる。
さてそのような建築の内部はどのようなプランになって行くのか
使い方を含めてプランニングの最中だ。

 

 

超弩級コンテナハウスがやってくる

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コンテナハウスにも設計する方向にいくつもの方向性やジャンルがある。
空間的驚きを演出しようとする時、
ロジスティクスとのマッチングを考える時、
コストパフォーマンスを考える時、
一つのユニットとしてのまとまりと、その組み合わせの中で新たな創造を探る時、
全体のシステムとして総合性を考える時、
そのサスティナブル性をテーマとする時、
社会的なテーマに取り組む時、
コンテナそのものが持っている「シニフィエ」に期待する時、etc.

それぞれの中に追い求めていくものは違うし、面白さもいろいろだ。
しかし、妙にニヤニヤしながら画面に向かったりスケッチブックに向かう瞬間がある。
こんな事したら今までにない空間が創造出来る!
それは少年の頃、建築模型やジオラマを作りながら自分の「世界」に沈んでしまう瞬間。

時の流れすら忘れ、周りの音でさえも消去されてしまう自分の世界の事を思い出す。
その事そのものに「大義」がなくても、人を夢中にさせるものがある。
その正体は何なのだろう。

構造的課題も概ね消えた。実施設計に入る段階だ。
いやいや、日本の建築基準法の世界では、
単純にコンテナをナナメにして組み合わせるなんて事は出来ません。
それなりにコンテナ側をそのような作りにしなければムリ。
なんだかやりたい事が山積みの遊びの世界に近い物件だ。

最新作エスキースでした。

「下りエスカレーターを登る事」とコンテナハウス

人生は「下りエスカレーター」を登るという事だ。

お嬢様育ちのあなたは経験ないかもしれないが、幼少の頃悪ガキだったあなたなら、「下りエスカレーター」を登ろうとして叱られた事があるだろう。

下りエスカレーターを下から登るには、「エスカレーターの速度よりも速い速度で登らないと、エスカレーターに負けて戻されてしまう」。人生を歩くという事は実はこれと同じだ。常に一定の努力をしていないと登る事はおろか、沈んで行くのだ。沈むという事は実は世の中が進んでいるという事で、最低でもその進み方と同じ速度が必要だ。その努力を続ける事によって「現状維持」(高さを保つ事が出来る)。そしてエスカレーターの沈む早さを超えて登る事によって初めて上の階にたどり着く事が出来る。「エスカレーター式人生」などという表現もあるが、概ね実は「人生は逆エスカレーター」なのだ。

しかもそのエスカレーターはとてつもなく長い。人は生まれながらにしてシーシュポスのごとく小走りで登り続けなければならない。ビジネスも戦いだ。毎日毎日努力をし続ける。誰にも負けたくなかったら、それなりのスピードで登り続けて上の階を目指す。

コンテナハウスは「グレーの世界」から始まった。とても解りやすい「鉄のハコ」があり、想像豊かな人であれば「ここをこうして、あそこをこうすればこんな素敵な部屋になる」という想像を掻き立てられる素材だ。しかし「建築」は人の生活や財産や「棲息力」を養う場所でもある。それゆえ先進国では「建築」には一定の安全性が担保されなければならないと国家は考え、個人の安全にとどまらず、街で生活する人々の社会的安全にも想いを、あるいは規制を巡らせ人々と社会の安全を「法」というコンセプチュアルなアートで縛り付ける。

輸送用コンテナを「建築」にコンバートする事は概ね不可能になって来た。4号建築の世界で何となく確認申請が通過していた時代も、平成26年12月26日に出した通達「国住安第5号」でいつでも撤去可能な状態にまで追い込んで来た。でもそれには理由があるのだ。多くの行政で輸送用コンテナの建築へのコンバートは「出来ません」という答えが準備されつつあるし、既にそうなった行政も増えて来た。

黙ってじっとしていては「おちていってしまう」。実は「コンテナ」そのものの発想はとても素晴らしい。その素晴らしさを「建築の世界」へ持っていく事は不可能ではなかった。「材料(法37条)」との戦い、製作環境との戦い(JIS認定工場)、溶接技術との戦い(職人の免許制度)その他もろもろと戦っていけば、ロジスティクスを内包した新たな建築システムが出来るのだ。

下りエスカレーターを駆け上がれ。

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